歯並びを悪くするおやつ、よくするおやつ
■聞かれることは多いけど、答えに困る「子供に良いおやつって何?」
「おやつって何をあげたら良いんですか?」という質問を親御さんからよくいただきます。
よくいただくのですが、ハッキリ答えられない、いざ考え始めるとなかなか難しい問題だということに気づき、同僚たちと試食会をすることにしました。
■実際に食べて検証してみる
私達が最も重要視したのは「顎や歯の成長発育にいい影響を与えられるか?」というポイントです。ただ虫歯にならなければ良いのであれば砂糖(特にショ糖)を極力含まない物を与えれば良いという結論になってしまいますし、歯並びで悩むお子さん・親御さんと日々接しているからこそ、ここは譲れないと考えました。
■いい食べ方と歯並びの関係
お⼦さんの体は⽇々成⻑しています。だからこそ、⻭が綺麗に並べるように⾻格の成⻑を誘導してあげるというアプローチが可能で、大人では根本治療できない症状に対しても効果を期待できるのです。歯並びは遺伝影響が大きい、と世の中では思われていますが、実は食べ方や、姿勢など環境要因の方が強い影響を及ぼす、という研究結果※もあります。※The use of twins in dentofacial genetic research Am J Orthod Dentofacial Orthop 103,33~38,1993
つまり、よい食べ方はとても大事なのです。
よい⾷べ⽅を簡単にまとめると
- ⼝の中に⼊れる時)前歯でかじりとる。
- 噛む時)左右の奥⻭どちらか片側を使って、すりつぶすように噛む
- 飲み込む時)⻭で噛んですりつぶした塊を⼀回で飲み込む、の3STEPです
①「かじりとる」ことは、口の中にいれる適量をまなぶのにとても大事な要素です。口の中にパンパンにものを入れて食事をする悪い癖がついてるお子さんが多く、歯並びの乱れにつながっているケースが増えています。
② 「すりつぶすように嚙む」硬いものを多く⾷べているお⼦さんは、噛む⼒が強くなりすぎてしまう傾向にあります。結果、せっかく⽣えてきた⻭を⻭茎側に押し込んでしまい、⻭並びが崩れる・・・というリスクが⽣じます。これを避けるべく⼈間本来の噛み⽅は前⻭でかみ切って、左右の奥⻭をどちらか使ってすりつぶしていく、という複雑な動作を学ぶ必要があります。
③ 「一回で飲み込む」ことで、舌が上あごを押し広げてくれます。上あごが成長すると、下顎も成長しやすくなるので、飲み込み方は顎の成長にとても重要な要素です。
■「歯並びにいい」おやつの性質とは!?
この良い食べ方を引き出せるおやつは下記のような性質をもっている、と考え
- かじりとる=前歯で噛み切れる
- 片側の奥歯ですりつぶすように噛める=かたすぎないこと
- 一回で飲み込める形態にまとまる=繊維質を多く含むこと
市販されているおやつ数十種類を購入し一つ一つ試食しましたが、残念ながらおすすめできるものはありませんでした。
アメやチョコレートなどは砂糖を多量に含むので、歯科医師としてはあまりお勧めできるおやつではありません。いわゆるスナック菓子に分類されるようなサクサク、バリバリ食べられるタイプのおやつに関しても顎を成長させる、しっかり咀嚼するという点においてはお勧めできません
◼️おやつを変えれば、歯並びが変わる!?
お口周りに良い環境を整えるうえで、軽視できないのが日々食べるおやつです。
食事をする際に口の周りにかかる力は、お子さんの体重とほぼ同等と言われています。
つまりかなりの力をかけて子供は食事をしているのです。
力がかかっている時をうまく使えば、効率的に歯並びや口周りを整えることができます。
ここで、小児歯科の視点から考える理想的な食べ方について説明をしますと
STEP 1 前歯でかじる
口の中に食べ物を詰め込みすぎると、歯並びが乱れるので
前歯でかじることが大事です。かじることで適量が口の中に入ります。
STEP 2 左右どちらか片側の奥歯で「すり潰すように噛む」
人間本来の噛み方なので、歯と顎への負担が少なく成長にも良いです。
STEP3
すり潰した塊を舌を使って、まとめて(一回で)飲み込む。
飲み込むというのは顎と舌が関係する運動です。
舌が上顎を刺激してくれるので、上顎の成長が促進され、歯が並ぶスペースができやすくなり、歯並びが整うようになります。
の3STEPです
これをおやつの特性に当てはめていくと、
- 適量を前歯でかじり取る=ある程度の大きさが必要
- すりつぶすように噛める=硬すぎず、柔らかすぎずのしなやかさが必要
- まとめられる=繊維質がふくまれていた方がいい
となります
◼️実は怖い、グミ・ガム。硬いもの=歯にいいは間違い
「歯にいい」をうたい文句にしたグミ・ガムは、昔からあります。
これらの商品は子供の歯やあごにとって、明らかに硬すぎます。
硬いから力を入れて嚙む、そうするとあご周りの筋肉が発達しすぎてしまい、エラが張った顔つきになるだけではなく、筋力が付きすぎてしまうので、歯ぎしりの原因にもなります。
「硬いもので歯や顎を育てる」はわかりやすい理屈ではありますが、デメリットを隠している説明です。
また、特にグミは子供がいい食べ方を学ぶには小さすぎますし、噛むとバラバラになってしまい、複数回ポロポロと飲み込むことになる、という点でもお勧めできません。
同様の理屈で、パリパリ・サクサク食感のスナック菓子もダメなおやつです。
◼️ドライフルーツはいいおやつだが、市販品の大部分は不適切・・・だから
- 適量を前歯でかじり取る=ある程度の大きさが必要
- すりつぶすように噛める=硬すぎず、柔らかすぎずのしなやかさが必要
- まとめられる=繊維質がふくまれていた方がいい
これらの条件を満たしてくれるのが、ドライフルーツです。
自然由来の物で健康的ですし、果物本来の栄養素、特に食物繊維、ビタミンやミネラルも豊富に含みます。
ただし、一般的に販売されているドライフルーツの多くは多量の砂糖が使用されていたり、水分量を減らし、カリカリ、パリパリにした物です。
保存食として長く美味しく食べられるという観点では正しいでしょうが、
子どもの食べるおやつとしてはまだまだ不適切と言えます。
◼️小児歯科医、ドライフルーツを作る
① 砂糖不使用として、虫歯のリスクを減少させる。
② 適度な硬さや繊維の残り方によって、子供が自然に理想的な食べ方を学び、顎や歯並びがうまく成長発育する。
この二点に留意した、「歯、ならび顎にいいことがある」おやつとして、ドライフルーツを自分たちの手で作ることにしました。
子供の歯と口周りにちょうどいいしなやかさをどう作り込むか、他のドライフルーツがあまりケアしていない安全性をどう高めていくか、そして毎日お子さんが食べても飽きない美味しさをどう担保するか、開発は難航し、3年の月日と数十回の試作を経てついに「Sodachi歯科ドライフルーツ りんご」が完成しました。
そんなこだわりの詰まった
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◼️子供の歯、ならび顎に嬉しい4つのポイント
①口のなかに入れるとき
一口で食べられないよう、お子さんの口の横幅より大きくなる輪切りとしました。噛みちぎる動作と、口の中に入れる適量が学べるようになっています。
②かむとき
「しなやかさ」により、強すぎず弱すぎずの「ちょうどいい強さの噛む力」が自然と身につくことを狙いました。
③飲み込むとき
あえて皮をつけることで。繊維質が口の中で展開され、噛んだりんごが自然にまとまります。このまとまったボールを飲み込むことで、正しい飲み込み方も意識せずとも、身につくように作ってあります。
④虫歯になりにくい、砂糖不使用
歯磨きで簡単に糖分が落とせるように検討しつくした食物繊維量。
子供の歯と顎の専門家、小児歯科医師・歯科医師だからこそ開発できた商品だと自負しています。
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